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Research Performance

研究実績

第3回 日本コンタクトレンズ学会学術奨励賞 ​平岡孝浩 – 研究実績

2011年の7月に京都で開催されたスリーサム2011の際に,「各種コンタクトレンズが眼光学系と視覚の質に及ぼす影響」という研究題目で日本コンタクトレンズ(CL)学会学術奨励賞を受賞させていただきました.この研究テーマの主軸であるオルソケラトロジー(OK)と出会ったのは確か2000年頃だったと思います.松本雄二郎先生に教えていただいたのがきっかけとなり,2002年から本格的にOKの臨床研究を始めるようになりました.当初はOKの認知度は低く,未認可であったこともあり学会等でも本治療法を訝しがる先生方も少なくなかったように思われます.しかし治験で良好な結果が得られたこともあり,2009年には厚労省の認可を得るに至りました.不遇な時代からこの新しい近視治療に携わってきた自分にとってはとても感慨深いものでした.当初は眼光学的側面やQOVの観点から研究を進めていましたが,最近ではOKによる小児近視進行抑制効果に関して柿田哲彦先生と共同研究を進めさせていただております.詳細については割愛させていただきますが,この近視進行抑制効果については昨年のIOVS誌に掲載された柿田先生の論文をはじめとして権威のあるジャーナルにも肯定的な内容がいくつか掲載されるようになり,エビデンスとして確立されつつあります.先月に中国の杭州で開催された3rdAsia Orthokeratology and Specialty Lens Conferenceでも,OKの近視進行効果を認めたという学術報告が相次ぎ,やはり間違いないのではないかと個人的には思っております.

次いで2012 CLAO Symposium and Congressの参加報告を致します.前述の受賞講演が終了した直後に,日本CL学会理事の濱野孝先生から「この賞を受賞された先生には翌年のCLAOで日本代表として講演をしてもらっておりますので,宜しくお願いします.」と唐突に切り出されました.(ちなみにCLAOとはContact Lens Association of Ophthalmologistsの略で,オプトメトリストではなくオフサルモロジストが中心となって運営されているコンタクトレンズの学会です.)よく理解できないままに了承したところ,2012年1月26~28日にラスベガスのシーザースパレスホテルで開催されたCLAO Symposium and Congressに参加し,2日目のプログラムに予定されたJCLS Symposiumで演題“Long-term effect of overnight orthokeratology on axial length elongation in childhood myopia: A 5-year follow-up study in Japan”を発表する運びとなりました.ModeratorはBruce H. Koffler先生とDavid S. Chu先生で,聴講者は50~60名程度だったでしょうか?小数精鋭のclosedな会合のような雰囲気でありました.つたない英語で発表を終えると次から次へと質問を受け,しかも手加減のないスピードで捲し立てられ(たように感じました)少し面喰いましたが,Moderatorの助け船もありなんとか質疑応答を終えました.小児の近視進行抑制というテーマは海外でも関心が高いようであり,皆さん興味を持って聴いてくれたようです.翌日に開催されたInternational Leadership Dinnerにも招待していただき,その席で「とても興味深いテーマであり,内容もよくまとまっており素晴らしい講演だったよ!」とハーバード大のDeborah S. Jacobs先生にお褒めの言葉を頂いたのが大変光栄でした.Deborah先生は杏林大学の岡田アナベルあやめ先生と同僚だったらしく,昔の話もいろいろとお聞かせいただきました.またBruce H. Koffler先生からは,「私も同様の研究を進めており,データを共有させてほしい」との依頼を受けるなど,予想以上に反響が大きかったです.帰り際には学会長から高級チョコレートのお土産まで手渡され,手厚いホスピタリティーに感動しました.日本国内で仕事をしているだけでは,海外の著名な先生方と交流を築くのは至難の業であり,この学会に参加できたことを改めて幸せだったと感じた次第です.濱野先生,御指名いただき有難うございました!

以上,学術奨励賞受賞とそれに伴うCLAOでの講演について報告させていただきましたが,この元となった研究に関しては大鹿教授をはじめとして数多くの方々のご協力を得て成し遂げることができました.この場をお借りしてサポートしていただいた全ての方々に心よりお礼申し上げます.今後もこの受賞に恥じないように,そしてより良い研究ができるように努力していきたいと思います.

第3回 日本コンタクトレンズ学会学術奨励賞 ​平岡孝浩

2011 CLAO,JCLS Symposium終了後の記念撮影.右から順に,シンポジストの座長を務めていただいたBruce H. Koffler先生,シンポジストの一人として発表された濱野孝先生,著者,ボストン留学中に講演を聴きにきてくれた山口大学の柳井亮二先生.