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Research Performance

研究実績

網膜中心静脈閉塞(CRVO)の臨床所見と治療成績 – 治験・臨床研究

【背景】
網膜中心静脈閉塞(CRVO)は、眼球の後部で網膜中心静脈が網膜中心動脈による圧迫のために狭窄し、その結果、視力低下、黄斑浮腫、網膜虚血による緑内障などにより視機能が低下する疾患である。1-3)
従来では、CRVOは治療が困難な疾患であり、レーザー治療以外に選択肢はなかった。しかしながら最近では、レーザー治療以外にもステロイドの注射、抗VEGF薬の注射、硝子体手術なども積極的に行われるようになり、これらの組み合わせ治療も行われている。現時点ではCRVOの治療の中心は抗VEGF薬であるが、日本でも世界でも抗VEGF薬をどのようなプロトコールで投与するかという標準治療も確立されていない。

【目的】
2013年以降に受診した網膜中心静脈閉塞(CRVO)の臨床所見と、様々な治療による1年の成績を多施設から診療記録(カルテ)をもとに集積し、日本におけるCRVOの臨床所見と治療成績をまとめたデータベースを構築し、今後の治療に役立てることが本研究の目的である。Primary endpointは1年間の視力改善度である。Secondary endpointは、1年間の中心窩網膜厚の改善度、1年間の治療回数、1年間の血管新生緑内障あるいは硝子体出血の頻度である。

【方法】
5.1. 選択規準
1) 網膜中心静脈閉塞(CRVO)の患者
2) 2013年1月以降に受診したCRVO症例
3) 1年以上経過観察できた症例
4) 20歳以上の症例
5) これまで他院でレーザー、手術、注射の治療が行われている症例は除外

5.2. 除外規準
1) 半側網膜中心静脈閉塞(Hemi-CRVO)の患者
2) 20歳未満の症例
3) 既に注射やレーザー、手術治療が行われている症例
4) 研究責任医師または研究分担医師が研究対象者として不適当と判断した患者
今回の後ろ向き研究で、診療録より抽出する診療情報は以下の通りである。
・治療開始時年齢
・性別
・CRVO眼の左右
・全身合併症の有無(高血圧、糖尿病、腎不全)
・症状発生からから治療までの期間(週数)
・視力(初診時、半年後、1年後)
・OCTによる中心網膜厚(初診時、半年後、1年後)
・1年間の治療内容(注射、手術、レーザー治療の有無)
・1年間の硝子体出血や緑内障の有無
・CRVOの型(虚血型、非虚血型)の判定。途中からコンバートした場合にはそれも記載。

【症例数】
研究全体の症例数:600症例

【参加施設】
参加施設数 17施設(以下に示す)
(主たる研究施設)
三重大学医学部附属病院 眼科 近藤峰生
(分担研究施設)

愛知医科大学医学部附属病院 眼科 瓶井 資弘
東京医大八王子医療センター 眼科 志村 雅彦
滋賀医科大学医学部附属病院 眼科 大路 正人、西信 良嗣
兵庫医科大学医学部附属病院 眼科 五味 文
鹿児島大学医学部附属病院 眼科 坂本 泰二
徳島大学医学部附属病院 眼科 三田村 佳典
奈良県立医科大学医学部附属病院 眼科 緒方 奈保子
防衛医科大学医学部附属病院 眼科 竹内 大、高山 圭
名古屋市立大学医学部附属病院 眼科 安川 力、平野 佳男
筑波大学医学部附属病院 眼科 岡本 史樹
山口大学医学部附属病院 眼科 木村 和博
市立札幌病院眼科 眼科 木下 貴正
久留米大学医学部附属病院 眼科 吉田 茂生
信州大学医学部附属病院 眼科 村田 敏規
福井大学医学部附属病院 眼科 高村 佳弘
神戸大学医学部附属病院 眼科 楠原 仙太郎