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Research Performance

研究実績

臨床研究「わが国における糖尿病黄斑浮腫治療および予後成績の実態調査」について – 治験・臨床研究

「筑波大学附属病院眼科」では,下記の臨床研究について,学校法人東京医科大学医学倫理審査委員会の審査を受け,当施設では施設責任者の承認のもと実施いたしますので,研究の趣旨をご理解いただきご協力をお願いいたします.
この研究の実施にあたっては患者さんの新たな負担(費用や検査など)は一切ありません,また個人が特定されることのないように患者さんのプライバシーの保護には最善を尽くします.
この研究の計画や研究の方法について詳しくお知りになりたい場合や,この研究に検体やカルテ情報を利用することを了解いただけない場合などは,下記の「問い合わせ先」へご連絡ください.不参加のお申し出があった場合も,患者さんに診療上の不利益が生じることはありません.なお,ご連絡がない場合には,ご同意をいただいたものとして研究を実施させていただきます.

[研究課題名] 
わが国における糖尿病黄斑浮腫治療および予後成績の実態調査

[研究の背景と目的]
糖尿病黄斑浮腫(DME)に対する治療は,現在,最新かつ効果的な治療法とされるVEGF阻害薬の硝子体注射(眼球に注射)が第一選択とされています.以前我々は27施設41網膜専門医の協力を得て,VEGF阻害薬が保険適用を受けていない期間でのDME治療の全国的な疫学調査を行ったところ,VEGF阻害薬の投与症例は半分程度であり,ほとんどの症例でVEGF阻害薬以外の治療(光凝固や硝子体手術、ステロイドの眼球への注射)との併用で行われ,その結果2年間の視力予後はわずかであり,視力表ではほとんど変化がないことを報告してきました.その一方で、治療開始年度が新しくなるにつれて,VEGF阻害薬の投与割合が上昇し,視力予後も直近では,視力表で2段下の小さな文字が見える程度の改善があることも報告してきました.
2014年にわが国でもVEGF阻害薬がDMEに対して保険適用を受け,治療パターンや2年間の視力予後は大きく変化していることが予想されています.今までわが国では硝子体手術やステロイド局所投与治療の割合が多かったため,VEGF阻害薬と光凝固を主流とする国際的な治療との比較対照という疫学調査が求められています.
診療録を用いて,疾患の頻度や分布,臨床的な特性及び疾患の診断法・治療・その他のケアの効果・安全性等に関して適切な解析を行うことにより,新たな診断法・治療法・予防法等を検討する資料とすること,他の方法で収集が困難な情報も含めて解析することで,疾病の予後や生活の質の改善,または健康の維持・増進に資する知見を得ることを目的としています.

[研究の方法]
●対象となる方
DME患者さんで、2015年1月1日から2019年12月31日の間に当科にて初めて治療を受けた方
かつ,治療を開始して2年間の経過を追えた方

●研究期間
倫理審査承認日から2022年9月30日

●利用する検体やカルテ情報
1) 年齢,性別,糖尿病罹病期間,採血データ(HbA1c, Cr),糖尿病の治療法(経過観察・内服・インスリン注射・透析),高血圧・高脂血症の治療歴,などの基本情報
2) 治療開始した診察日,介入を行った診察日,治療開始から2年目の診察日の臨床データ
3) 臨床データとして,視力・黄斑部網膜厚・介入治療の種類(抗VEGF薬,ステロイド治療,網膜光凝固,硝子体手術)
これらのカルテ情報を用いて解析を行います.

●検体や情報の管理
情報は直ちに個人が判別できる情報は含まれないよう加工されます.加工された情報から研究対象者を識別できる識別表は,研究責任者の指示に基づき施錠された場所またはパスワードで保護された電子情報として保管されます.情報は研究が終了した後に,論文発表されたデータの検証が求められる場合に備えて保存し,廃棄する場合は個人情報の取り扱いに十分配慮して,研究終了後5年間もしくは施設の規程で定められたいずれか遅い期間まで保管し(データ消去ソフトの利用等により)廃棄します.

[研究実施体制]
東京医科大学内:
研究代表者 東京医科大学八王子医療センター眼科 教授 志村雅彦 企画・統括
研究分担者 東京医科大学八王子医療センター眼科 准教授 野間英孝 データ収集
研究分担者 東京医科大学八王子医療センター眼科 講師 安田佳奈子 データ収集
研究分担者 東京医科大学病院眼科 講師 山本香織 データ収集
研究分担者 東京医科大学病院眼科 臨床講師 川上摂子 データ収集
研究分担者 東京医科大学茨城医療センター眼科 教授 三浦雅博 データ収集
研究分担者 東京医科大学茨城医療センター眼科 講師 上田俊一郎 データ収集

共同研究機関:
研究分担者 鹿児島大学眼科 教授 坂本泰二
研究分担者 福井大学眼科 准教授 高村佳弘
研究分担者 筑波大学眼科 病院教授 岡本史樹
研究分担者 徳島大学眼科 教授 三田村佳典
研究分担者 奈良県医大眼科 教授 上田哲生
研究分担者 岡山大学眼科 教授 森實祐基
研究分担者 山口大学眼科 教授 木村和博
研究分担者 三重大学眼科 講師 杦本昌彦
研究分担者 兵庫医科大学眼科 教授 五味文
研究分担者 神戸大学眼科 講師 楠原仙太郎
研究分担者 信州大学眼科 教授 平野隆雄
研究分担者 杏林大学眼科 講師 厚東隆志
研究分担者 公立昭和病院 部長 鷲尾紀章
研究分担者 ひきち眼科 院長 引地泰一
研究分担者 市立札幌病院眼科 医長 木下貴正
研究分担者 長崎大学眼科 講師 築城英子
研究分担者 聖マリアンナ医科大学眼科 教授 高木均
研究分担者 和歌山県立医科大学眼科 教授 雑賀司珠也
研究分担者 日本大学医学部付属板橋病院眼科 准教授 長岡泰司
研究分担者 久留米大学眼科 教授 吉田茂生
研究分担者 国家公務員共済組合連合会立川病院眼科 医長 佐々木真理子
研究分担者 秋田大学眼科 教授 岩瀬剛
研究分担者 香川大学眼科 教授 鈴間潔
研究分担者 大阪医科薬科大学病院眼科 教授 喜田照代
研究分担者 埼玉医科大学眼科 教授 篠田啓
研究分担者 日本大学病院眼科 教授 中静裕之
研究分担者 順天堂大学浦安病院眼科 准教授 坂西良仁
研究分担者 国立病院機構東京医療センター眼科 医長 秋山邦彦
研究分担者 千葉大学医学部附属病院眼科 教授 馬場隆之
研究分担者 千葉労災病院眼科 部長 高綱陽子
研究分担者 自治医科大学附属病院眼科 准教授 高橋秀徳
研究分担者 佐賀大学医学部付属病院眼科 教授 江内田寛
研究分担者 富山大学付属病院眼科 教授 林篤志

[個人情報の取扱い]
●診療録からの個人データについては,各施設において個人が特定できないように加工を行います.データには氏名,生年月日,カルテ番号等の直ちに個人が判別できる情報は含まれません.加工された情報から研究対象者を識別できるように研究登録番号と個人情報との識別表を作成します.識別表は施錠された場所またはパスワードで保護された電子情報として保管します.
●各施設で加工された解析用データは,ファイアウォールで厳格に守られたWEB上で入力を行いますが,入力者には施設IDと個人認証IDを発行し,入力の際の情報漏洩を防止します.なお,各施設の解析用データは自施設のみ閲覧でき,許可なく他施設のデータにアクセスはできないようになっています.
●情報の管理者名:東京医科大学八王子医療センター眼科 志村雅彦

[問い合わせ連絡先]
筑波大学附属病院:〒305-8576 茨城県つくば市天久保 2-1-1
所属・担当者名:眼科 村上智哉
電話番号: 029-853-3148 (平日8:30~17:15)
029-853-3110(上記以外の時間帯は、休日夜間受付から眼科オンコール医師)