Research Performance
研究実績
白内障に関する研究 – 研究紹介
白内障は加齢による水晶体の混濁であり,視力やコントラスト感度を低下させますが,手術により視機能とともにQOLが改善することも報告されています.水晶体の混濁の性質によって,光学特性(収差や散乱)が異なり,視機能への影響も異なることが推察され,私たちは白内障の混濁を様々な前眼部解析装置で定量評価し,光学特性や視機能との関連を評価する包括的研究を行っています.“白内障患者における前眼部解析装置を用いた水晶体混濁の定量評価と光学特性,視機能,QOLの総合評価”.また,水晶体温存硝子体術後には核白内障が進行し,それに伴い近視化が進行することを報告しています(Am J Ophthalmol 2014).偽落屑症候群は,落屑物質が瞳孔縁や水晶体前面に沈着する疾患で,角膜内皮細胞密度の減少を生じることがあり,白内障手術の際は合併症のリスクが高くなることが知られています.私たちは,宮田眼科病院との多施設共同研究で,白内障術後の角膜内皮細胞減に偽落屑症候群は影響しないこと,および,偽落屑症候群では,白内障の核硬度と前房深度の深さが内皮細胞減少に関連することを報告しました(臨床眼科 2016,Clin Ophthalmol 2016).