Research Performance
研究実績
乱視と乱視矯正眼内レンズに関する研究 – 研究紹介
乱視は近視や遠視と同様に視機能を低下させる重要な因子です.私たちは,乱視が視機能に及ぼす影響を包括的に評価してきました.両眼に乱視がある場合の両眼コントラスト感度は,直乱視では特に高周波数領域で低下し,倒乱視では全周波数領域で顕著な低下が見られます.さらに片眼のみ乱視がある場合,乱視によるコントラスト感度の低下は小さくなり,乱視軸による違いはなかったことを報告しました(PLOS ONE 2018).動体視力は両眼の乱視負荷で障害され,乱視度数が大きくなるほどその影響は大きく,乱視軸の影響はなかったことも報告しました(眼科臨床紀要 2018).その他,乱視が立体視,実用視力,近方視力に及ぼす影響なども研究しています.
乱視矯正の手段の1つとして,トーリック眼内レンズが2009年より登場しました.私たちはトーリック眼内レンズの乱視矯正効果(J Cataract Refract Surg 2013),術後軸ずれに対する再手術の頻度(Ophthalmology 2018)を報告しました.また,最新のトーリック眼内レンズに対する研究も行なっています.“新型乱視矯正眼内レンズの術後安定性の評価”