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Research Performance

研究実績

組織シーラントによる網膜裂孔閉鎖に関する基礎研究 – 研究紹介

星崇仁講師,岡本史樹講師を中心に行っています.裂孔原性網膜剥離は放置すれば失明し,硝子体手術が唯一の治療法です.治療原則は原因となる網膜裂孔を閉鎖することです.現在広く行われている硝子体手術では裂孔閉鎖のために眼内ガスタンポナーデを必要とし,そのため患者は術後数日の腹臥位,約1-2週間の入院が必要です.私たちは組織シーラントであるFocalSeal®を用いて術中に網膜裂孔を閉鎖する方法を考えました.この組織シーラントにて術中裂孔閉鎖を達成することができれば眼内タンポナーデや術後体位制限を必要としなくなり,患者にとっては入院期間も短縮でき,Quality of Lifeが向上します.このシーラントが網膜に対して十分な接着力を持ち,網膜毒性のないことを証明し(Invest Ophthalmol Vis Sci.2015),ウサギにて網膜裂孔を閉鎖して網膜剥離を治療することができました(Exp Eye Res.2018).また手術時の強膜創の閉鎖にも応用できることを報告しました(Transl Vis Sci Technol.2016).

組織シーラントによる網膜裂孔閉鎖に関する基礎研究
組織シーラントによる網膜裂孔閉鎖に関する基礎研究

この研究は以下の競争的資金により行っています.2011〜2013学術研究助成基金助成金(基盤研究C):組織シーラントを用いたガスタンポナーデ不要の網膜剥離手術の有効性,安全性の検討,2014〜2016年学術研究助成基金助成金(基盤研究C):組織シーラントによる新しい網膜剥離手術手技の開発とヒトへの臨床応用.