1. HOME
  2. 研究実績
  3. 眼光学機器の開発 – 研究紹介

Research Performance

研究実績

眼光学機器の開発 – 研究紹介

眼科検査と眼光学的なモデリング

眼の形状の測定や光学モデルを構築してます.眼の光学モデルは100年以上前から連綿と研究されてきましたが,最新の検査装置を使えば個々の患者さんの眼のモデルを構築できると考えています.たとえば,低コヒーレンス光干渉断層画像測定法(OCT)を用いた眼底形状を, 同様に前眼部用のOCTを用いて角膜や水晶体の形状を,眼軸長測定装置を用いれば眼の全体の大きさや角膜・前房深度・水晶体・硝子体腔長というように,眼の正確な立体的な形状を知ることができます. また,オートレフラクトメータや波面収差計をもちいれば,眼の焦点を結ぶ位置や像の質も検査から知ることができます.
これらの検査データにより従来知られていた眼の光学モデルを変更して,個々の眼の収差や光散乱を計算機でシミュレーションすることを考えています.健常眼ばかりでなく白内障眼等のモデルも検討しています.

網膜の機能イメージング

網膜内の神経節細胞の画像.細かい形状が写っています.網膜には光を神経信号に変換する重要な細胞があります.また,その信号を脳へ伝える多くの神経細胞があります.眼の奥にあるこれらの細胞を観察することは困難だったのですが,最新の技術を使えば,細胞の内部に存在する機能を持つ小さな構造体まで観察が可能です.この技術により,見えることの仕組みや病気の網膜の問題点を明らかにできればと思っています.
【右図】網膜内の神経節細胞の画像.細かい形状が写っています.

調節可能眼内レンズ

人は年をとると眼のピント調節機能が無くなって,近くのものが見えにくくなります.いわゆる老眼です.日本は超高齢社会ですから,多くの人が老眼になって不便な生活を強いられていることになります.そこで,白内障手術で実績のある眼内レンズを使って,調節機能を再現できないか考えています.私たちの方法は「アクチュエータ」を使った,眼内レンズ自体が変形して調節機能を持つ方式です.このような眼内レンズ自体に調節機能を持たせる方法は世界的にも数グループしか取り組んでいないチャレンジングな方法ですが,うまくいけば将来的に大きく社会に貢献できる大事な研究テーマだと思います.