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Research Performance

研究実績

日本コンタクトレンズ学会学術奨励賞2021 木内岳- 研究実績

 この度、「遠視用オルソケラトロジーレンズにおける矯正量予測式の検討」という研究論文で、2021年日本コンタクトレンズ学会学術奨励賞を頂きました。本研究は、2019年度にオーストラリア留学中に収集したデータを用いて報告したものです。留学したからこそ知り得た、日本ではまだほぼ認知されていない「遠視オルソケラトロジー(OK)」の存在を、広く知ってもらえる機会となり、今後の研究活動のさらなる励みとなりました。
 近視矯正用のOKはここ数年で、一般にも広く認知されるようになり、治療希望者も増えています。一方海外では、近視矯正を超え、乱視や遠視矯正を目的としたOKレンズの臨床利用が既に始まっています。しかしながら、遠視OK自体が新しい治療概念・レンズデザインであり、レンズフィッティングの方法すら経験則に頼っているのが実情です。我々は、レンズパラメータと屈折矯正量の関係を検討し、近視OKと同じように、遠視OKでも装用後屈折矯正量の予測が可能であること、その矯正量予測式が近視OKのもの(すなわちJessen formula)とは大きく異なることを初めて示しました。
 残念ながら本邦において、遠視OKレンズはまだ承認された製品がなく、導入に必要な機器や技術、ノウハウも不足しているのが実情です。しかし、新しい遠視・老眼治療法として大きな可能性を秘めています。OKの可能性を広げるべく、さらなる研究活動へ邁進していく所存です。

授賞式