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Residency Training Programs

研修制度

臨床 – 後期研修について

大学病院での臨床研修

■ 手術

現在,大学病院では年間約1700件以上の手術を行っております.外傷や網膜剥離などの緊急手術も年間300件近く行っています.総手術件数はもとより,難治性白内障や網膜硝子体手術の件数は日本の大学病院の中でもトップクラスを誇ります.さらに,眼腫瘍や複数回の手術治療に抵抗するような緑内障手術など,茨城県ではここでしか経験することのできない症例があります.自分の受け持ちの患者様は原則として助手か術者として入ります.斜視,眼瞼下垂などの外眼手術に始まり,白内障,緑内障,単純な網膜硝子体手術,眼腫瘍など,ほとんどの眼科手術を熟練した術者の指導により後期研修で習得することができます.

■ 外来

後期研修では1年目後半より自分の外来を開設し,患者様の診療にあたります.週に2日程度となります.新患の方はもとより,再来の方でも症状,所見に変化のある患者は,必ずその日の外来責任者と共に診察を行い,診断や今後の診療計画を決定します.専門外来のみにつくことはありませんので,全ての分野の眼科疾患を経験することができます.

■ 病棟

主治医の大学病院のスタッフと,スーパーローテーターの受持ち医の間に位置する`副主治医`として患者を受け持つ責任のある立場です.術前の検査から診断,治療計画に至るまで全て自分の頭で考え,主治医の先生との相談により診断,治療計画を決定します.

疾患ごとの研修内容

■ 白内障

白内障高齢者の視力低下の原因の多くを占め,白内障手術は眼科手術のなかで最も多く行われる手術です.近年では通常の単焦点眼内レンズだけではなく,トーリック眼内レンズや多焦点眼内レンズといった高機能眼内レンズが登場し,さらにその種類が豊富となってきているため,白内障の手術適応の判断や眼内レンズの選択がより重要になってきています.当院では,細隙灯顕微鏡での診察や視力検査のみではなく,波面収差解析装置,前眼部解析装置,コントラスト感度検査,実用視力検査などで,白内障による視機能低下を総合的に評価しています.初期研修から,眼軸長測定や前眼部解析装置などの術前検査を自ら測定し,上級医と共に確認することで,検査結果を理解し,その信頼性を判断できるようになります.眼内レンズ選択も指導医と共に自ら行い,症例に応じた選択ができるようになります.
当院では年間約1100件の白内障手術を施行しており,難治性白内障や多焦点眼内レンズも数多く行なっています.当院では,後期研修1年目から執刀医となります.初期研修では助手として手術に参加し,豚眼を用いたウェットラボで手術手技を学びます.後期研修では指導医のもとで合併症のない症例から執刀し,後期研修終了時には難治性白内障も執刀できるようになることを目標としています.
術後の診察はチームで行います.所見を上級医と一緒に確認することで,診察能力が早く身につき,術後眼内炎などの重篤な合併症にいち早く対応できるようになります.

■ 網膜硝子体疾患

岡本史樹講師,平岡孝浩講師,杉浦好美講師が中心となり,数名の術者がチームを組み,年間約600件の網膜硝子体手術を施行しています.手術治療が可能な網膜疾患は全て当院で行なっています.網膜剥離が約200件と最多で,増殖糖尿病網膜症が約100件,その他黄斑前膜,黄斑円孔,網膜細動脈瘤破裂,黄斑変性,黄斑浮腫,未熟児網膜症,小児網膜疾患,感染性網膜疾患,腫瘍性網膜疾患,眼外傷などの疾患の治療を行なっています.
硝子体手術については初期研修医の時点より助手としてチームを組みます.網膜硝子体手術を希望する後期研修医は,まずウェットラボにて豚眼での硝子体手術の基本を学びます.そして後期研修1年目よりコアビトレクトミー → 周辺部硝子体切除 → 創口作成 → 圧迫 → 膜処理の順で部分的な手技を習得し,全ての手技ができるようになったら増殖糖尿病網膜症,黄斑前膜,黄斑円孔,網膜剥離などの手術を指導医の助手のもとに行います.
糖尿病網膜症や網膜剥離に対するレーザー治療は指導医のもと助手に入り,一定数の助手を務めた後に部分的に始めます.加齢性黄斑変性や黄斑浮腫に対する抗VEGF剤の硝子体注射の手技に関しても同様に指導を行い,後期研修1年目を終わる頃にはこれらの手技をマスターします.眼科レジデントマニュアルにその指導方法や各手技の到達目標を詳しく記してあります.

■ 緑内障

緑内障は患者数も多く,失明原因としても第一位であり,一般眼科医として診断・治療に習熟しておくべき重要な眼疾患になります.大学病院での研修期間中にぜひ難治性緑内障の治療について経験を積んでください.また,知識をアップデートするために若手同士の勉強会も積極的に開催していきます.
緑内障手術については上野勇太講師を中心に,年間100から120件前後施行しています.行っている手術方法としては,濾過手術が5割(エクスプレス挿入術3割,線維柱帯切除術2割),線維柱帯切開術が3割であり,その他にMIGS(低侵襲緑内障)や難治性緑内障に対するインプラント手術を行っています.希望者には後期研修中から執刀してもらうことも可能です.また,今後は術中隅角鏡を用いたMIGSが主流になり,関連病院での執刀も増えてくると予想されます.一般眼科医としてもMIGSを習得しておく必要がありますので,大学病院での研修中に手術手技に慣れておくことをお勧めします.

■ 涙道診療

平岡孝浩講師,星崇仁講師,田崎邦治医師(大学院)を中心に,涙道内視鏡を用いた涙管チューブ挿入術(年間約160件)や涙囊鼻腔吻合術(年間約30件)を行なっています.
涙道内視鏡を用いた検査,手術はすべての眼科医が習得するものではありませんので,希望者のみ研修を行っています.問診,細隙灯顕微鏡検査,涙管通水検査,涙道内視鏡検査及び涙管チューブ挿入術,鼻内視鏡操作を習得し、研修終了後は関連病院などで涙道外来を開設できるレベルに到達します.研修を行う学年に規定はなく,半年から一年の研修で習得が可能です.

■ 斜視・弱視

加藤篤子医師と4人の視能訓練士を中心に斜視弱視の診療にあたっています.一般外来に来院された斜視弱視患者は,午後の斜視弱視の検査枠を使って初診担当医が診療することが可能です.検査結果を上級医や視能訓練士と評価して,適切な治療を行います.手術は,外斜視(間欠性,恒常性)や内斜視(乳児内斜視,部分調節内斜視,固定内斜視),下斜筋過動などの疾患に対して年間20件から30件ほど行っており,担当患者が手術適応となれば,上級医の指導のもと平易な操作から部分執刀することも可能です.段階に応じて執刀する範囲を増やしていきます.