Residency Training Programs
研修制度
子育てとの両立③ – 先輩の声
藤田亜佳里 入局5年目
私は眼科クリニカルフェローとして勤務しながら,夫婦共働きで1歳の子供を育てています.
「仕事と家庭の両立」というと響きがよく,学生の頃からやりたかったことの1つでした.なんとなく1人でやるもの,というイメージがありましたが,現実はそんなに甘くはありません.この1年を振り返ると,家族や職場の協力がなければ絶対にできなかったと感じています.
当科での産後の仕事復帰は,産休明けすぐでも,1年間の育休を取ることも自由にできます.また子育て支援枠という,時短勤務制度を利用することもできます.私は手術のブランクを空けたくなかったことと,早期に専門医を取りたかったため,子供が3ヶ月の時に仕事復帰し,産休前と同じ条件で勤務しています.
当科は患者数,手術件数が最も多いという特性からか,業務の効率の良さを非常に重視しているため日中に仕事がギュっと詰まっています.そのため基本的には公立の保育園の送迎に間に合う時間には終わることが多く,働きやすいです.ただ緊急手術やオンコール業務で遅くなる日もあります.私は実家が近く,サポートを受けられる環境にはありますが,突然の発熱など急を要する事態で,業務の調整が必要になることがあります.幸い,当科では子育てしながら頑張ってきた先輩医師たちのおかげで,なんとか事態を切り抜けることができています.
臨床は外来・病棟・手術業務をこれまで通りできていますし,研究も隙間時間を駆使して続けることができています.私は白内障手術やドライアイ関連の臨床研究に加え,工学部や分子生物学教室と提携した基礎研究をしています.当科では興味のある分野の研究を自由にすることができて,指導体制も整っているため,子育てをしながらでも、学会発表や論文投稿ができます.
「仕事と家庭を両立」させるために日々頑張っていますが,振り返ってみれば,臨床,研究共に続けられていて,子供はスクスクと育ってくれています.一般には医療業界での子育てへのサポート体制はまだ十分とは言えないなか,当科は恵まれていると感じますし,何よりお手本となる先輩医師がたくさんいるのが心強いです.私も,これからの世代の先生方が「仕事と家庭の両立」をさせていけるように,環境をつくる一助となれるよう努めていきたいと思っています.